概要
『PIMD』は志賀基之博士(国立研究開発法人日本原子力研究開発機構・研究主幹)によって独自に開発された
並列分子シミュレーションを対象とするオープンソース・ソフトウェアです。この MPI Fortran 90 に基づくプログラムは
Apache 2.0 License の範囲で、どなたでも無償でダウンロードし、ご利用になれます。
特徴
『PIMD』に実装された内容は以下の通りです。
シミュレーション手法
- 構造最適化(拘束条件つき new!)、基準振動解析、フォノン計算、弾性定数
- 反応経路探索:ストリング法、最急降下法、最緩上昇法
- 古典統計:レプリカ交換法
- 量子統計:経路積分分子動力学法
- 古典力学:分子動力学法、ハイブリッド・モンテカルロ法
- 半古典動力学:セントロイドおよびリング・ポリマー分子動力学法
- 非断熱動力学:平均場動力学法、サーフェス・ホッピング法
- 自由エネルギー計算:メタ・ダイナミクス法、拘束分子動力学法、平均力ダイナミクス
- 機械学習:自己学習・ハイブリッドモンテカルロ法(new!)
アンサンブル
- エネルギー一定(NVE)、温度一定(NVT)、圧力一定(NPT)、応力一定(NtT)
境界条件
ポテンシャル
- 第一原理的手法:SMASH
- 古典力場:ADP、AMBER、CHARMM、CLAYFF、EAM、OPLS、Tersoff
- 分極力場:誘起双極子とTholeダンピング補正
- 他のコードとのインターフェース(第一原理的手法):ABINIT-MP、CP2K、GAMESS、GAUSSIAN、MOLPRO、NTCHEM、ORCA、PHASE/0, QUANTUM ESPRESSO、TURBOMOLE、VASP(ver.6 new!)
- 他のコードとのインターフェース(半経験的手法):DFTB、MOPAC、XTB
- マルチスケール法:ONIOM、QM/MM
- 機械学習ポテンシャル:AENET, MTP
- ユーザー定義のサブルーチン
PIMD コードの引用文献
- M. Shiga, PIMD version 2.6.0 (2023).
- M. Shiga, M. Tachikawa, S. Miura, J. Chem. Phys. 115, 9149-9159 (2001).
"A unified scheme for ab initio molecular orbital theory and path integral molecular dynamics''
- M. Shiga, M. Tachikawa, S. Miura, Chem. Phys. Lett. 332, 396-402 (2000).
"Ab initio molecular orbital calculation considering the quantum mechanical effect of nuclei by path integral molecular dynamics''