粒子ベース遠隔可視化アプリケーション:PBVR
(Particle-Based Volume Rendering)

粒子ベースボリュームレンダリング(Particle-Based Volume Rendering, PBVR)はボリュームデータを可視化用粒子データに変換してボリュームレンダリング画像を生成する可視化手法です。PBVRを利用した遠隔可視化アプリケーションPBVRは粒子への変換を遠隔地のサーバやスパコン上で行い、元データに比べて小さく圧縮された可視化用粒子データを手元のPCに転送して画像生成します。PBVRには以下の特徴があります。

遠隔可視化方式の選択

遠隔地のストレージに保存されたボリュームデータを可視化するクライアント・サーバ(Client Server, CS)可視化と、シミュレーションを同時かつ同環境で可視化するIn-Situ (IS)可視化を選択できます。CS可視化では、VTKやCGNS、EnSight等、流体分野で使用される様々なデータ形式をサポートしています。PBVRのISモード(IS-PBVR)の詳細についてはこちらから。

CS-IS-PBVRの図

大規模データを高速に可視化

サーバやスパコン上の粒子生成処理は並列環境向けに最適化されており、大規模なボリュームデータを数秒で可視化用粒子に変換できます。粒子データは自由に視点変更が可能で、GPUを利用して対話的フレームレートでレンダリング可能です。

多変量データ向け可視化機能

ボリュームデータの各変量を代数式で合成し新しい変量を定義できます。また、変量に色・不透明度を割り当てる関数を代数式で合成して多変量向けの可視化を設計できます。

3次元点群の可視化

フォトグラメトリやLiDARで取得した3次元点群の可視化が可能です。3次元点群はシミュレーション結果のボリュームデータとの統合表示が可能です。

VR可視化機能

表示デバイスとしてVR可視化用のヘッドマウントディスプレイ(HMD)を選択しVR可視化が可能です。この機能はHMDの標準規格OpenXRを利用して実装しているため、Meta QuestやHTC Vive等、様々なHMDで汎用的に動作します。

リリースノート

PBVR 3.2.0 (2024/11/12)

PBVR3.2.0がダウンロード可能です。本アップデートではCSとIS両方の遠隔可視化方式でVR表示機能が利用できる様になりました。またHMDの標準規格であるOpenXRを利用して実装したことで、PBVR3.2.0は現在流通しているHMDで汎用的に動作します。動作を確認しているHMDは以下です。

  • ・ Meta Quest2
  • ・ Meta Quest3
  • ・ VIVE Pro
  • ・ VIVE Focus3
  • ・ PICO4

ソースコード、マニュアル、バイナリはgithubから公開しています。
https://github.com/CCSEPBVR/CS-IS-PBVR/tree/release_v3.2.0

PBVR 3.1.0 (2024/10/7)

PBVR3.1.0がダウンロード可能です。本アップデートではCS-PBVRとIS-PBVRのGUIが統一され、Connectionパネルからクライアント・サーバとIn-Situの通信モードを選択できるようになりました。この統合により、CS-PBVRの可視化機能をIS-PBVRでも利用可能になりました。

ソースコード、マニュアル、バイナリはgithubから公開しています。
https://github.com/CCSEPBVR/CS-IS-PBVR/tree/release_v3.1.0

PBVR 3.0.0 (2024/09/18)

PBVR3.0.0がダウンロード可能です。本アップデートではCS-PBVRのクライアントプログラムのGUIを刷新しました。また、3次元点群データのLAS形式に加えてPTS形式をサポートしました。そして、複数のボリュームデータや点群データをGUI上で自由に追加・表示・削除できるMergeパネル機能を追加しました。

ソースコード、マニュアル、バイナリはgithubから公開しています。
https://github.com/CCSEPBVR/CS-IS-PBVR/tree/release_v3.0.0

Multi location IS-PBVR 1.0.0 (2024/03/01)

IS PBVRを多地点での遠隔共同可視化向けに拡張したMulti location IS-PBVR 1.0.0 (ML PBVR)がダウンロード可能です。 ML PBVRは遠隔地にあるスーパーコンピュータ上の大規模シミュレーションを、計算と同時に手元のPC上で可視化できます。 そして、その可視化をスーパーコンピュータに接続した複数のPCで共有できます。ML PBVRはHMDを利用したVR可視化が可能で、可視化パラメータを複数ユーザが変更することでユーザ間での対話的な解析が可能です。

ソースコードはgithubから公開しています。
https://github.com/CCSEPBVR/CS-IS-PBVR/tree/release_multi_location_pbvr_v1.0.0

VR CS-PBVR 2.2.1 (2023/11/29)

CS-PBVRの表示デバイスとしてHMDを利用してVR可視化が可能になったVR CS-PBVRがダウンロードできます。

ソースコード、マニュアルはgithubから公開しています。
https://github.com/CCSEPBVR/CS-IS-PBVR/tree/release_cs_is_pbvr_v2.2.1

IS PBVR 2.2.0 (2023/11/10)

IS-PBVR 2.2.0がダウンロード可能です。このバージョンではIS PBVRのクライアントプログラムからテクスチャ付きポリゴンデータや3次元点群(LAS形式)を追加して統合表示できるようになりました。

ソースコードはgithubから公開しています。
https://github.com/CCSEPBVR/CS-IS-PBVR/tree/release_cs_is_pbvr_v2.2.0

バイナリとサンプルデータ

バイナリおよびサンプルデータはgithubから公開しています。
https://github.com/CCSEPBVR/CS-IS-PBVR/releases

また、10ステップからなる空気流体のサンプルデータを以下からダウンロード可能です。
***空気流体のサンプルデータのダウンロードリンク***

開発者

日本原子力研究開発機構 システム計算科学センター 高度計算機技術開発室

連絡先

ccse-quad(at)ml.jaea.go.jp
※ (at) は @ に置き換えて下さい。