VRKVS
VRKVS 2.9 (2021/9/29)
VRKVSは可視化ライブラリKVS(https://github.com/naohisas/KVS)にヘッドマウント型ディスプレイOculus Riftへの出力機能を追加したものです。 VRKVSは下記リンクのGithubから取得できます。インストール方法については、同サイトのWikiに記述してあります。
VRKVSバージョン2.9がリリースされました。前回のVRKVSはKVSバージョン2.7に対応していました。KVSのアップデートに伴い、 今回のリリースにおいてVRKVSはKVSバージョン2.9に対応しました。
プログラム開発の目的及び概要
シミュレーションから得られる複雑なデータを解析するには、解析者が仮想現実(VR)空間に没入しリアリティの高い可視化(VR可視化)を行うことが有効である。 しかし原子力分野の大規模シミュレーションは可視化処理のコストが高く、ポリゴンベースの従来手法によるVR可視化は困難である。原子力機構は大規模データ向けの可視化ソフトウェアとして、 粒子ベースの可視化手法を利用した遠隔可視化ソフトウェアPBVR(以下PBVR)を開発しており、オープンソースとして公開している。PBVRは高い並列処理性能と圧縮されたデータ転送量により、 従来可視化手法では困難だった大規模データの対話的遠隔可視化が可能である。PBVRは汎用可視化ライブラリKVSを利用して開発されている。 本プログラムはKVSをヘッドマント型VR表示装置Oculus Rift向けに拡張したものであり、PBVRを始めとするKVSの可視化結果をOculus Rift向けに出力できる。 このプログラムを利用して可視化アプリを構築することで、PBVRを利用した大規模データ向けのVR可視化ができるようになる。
プログラムの特徴
PBVRはオープンソースの可視化ライブラリKVS (https://github.com/naohisas/KVS)を利用して開発されている。 KVSは科学可視化のための多くの手法を提供しているが、VR可視化向けの出力機能を有さない。原子力機構が開発するVRKVSは、 KVSに対してヘッドマウント型VR表示装置Oculus Rift向けの可視化結果出力機能を追加したライブラリである。VRKVSには、Oculus Rift向けの出力画像を計算するために、 ヘッドトラッキング情報から座標変換行列を計算する機能、立体視用の視差画像生成機能、そしてOculusに対応したフォーマットで可視化データを出力する機能が実装されている。 VRKVSを利用して可視化処理をコーディングし、出力先としてOculusを選択することで、Oculusを利用したVR可視化アプリケーションが構築可能になる。