プレス発表等

令和05年度

2024.02.13

“大地の謎に迫る!土中に含まれる金属の秘密とは?
―分子スケールのシミュレーションと観測が解き明かす土の性質―”

システム計算科学センター シミュレーション技術開発室の山口瑛子研究員、奥村雅彦研究主幹、先端基礎研究センターの田中万也マネージャー、物質科学研究センターの矢板毅研究専門官、大阪大学放射線科学基盤機構の吉村崇教授、及び東京大学大学院理学系研究科/アイソトープ総合センター長の高橋嘉夫教授らの研究グループは、粘土鉱物が金属イオンを吸着する分子レベルのはたらきにおいて、水に溶けにくく、イオン半径が大きいイオンが粘土鉱物に強く吸着するという傾向を見出し、この傾向が天然環境の土壌中でも成り立つことを示しました。

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2023.11.16

“ガラスの複雑な原子構造を高速・高精度な原子シミュレーションで再現!
―ガラスの一見無秩序な構造の中に潜む秩序を解明―”

システム計算科学センターシミュレーション技術開発室の小林恵太研究員、奥村雅彦研究主幹、中村博樹研究主幹、板倉充洋室長、町田昌彦センター長及びJ-PARCセンターの鈴谷賢太郎研究主幹、AGC株式会社の浦田新吾博士らは、機械学習を応用してシリカガラスの原子配列を高精度に再現する原子シミュレーション技術を開発し、これまで謎とされてきたシリカガラスの詳細な原子構造を明らかにしました。

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令和04年度

2022.09.27

“水に溶けたラジウムの姿を世界で初めて分子レベルで観測
―キュリー夫妻による発見から124年、ラジウムの分子レベル研究の幕開け―”

システム計算科学センターシミュレーション技術開発室の山口瑛子研究員、奥村雅彦研究主幹、先端基礎研究センター 耐環境性機能材料科学研究グループの田中万也研究主幹、物質科学研究センターの矢板毅副センター長、大阪大学放射線科学基盤機構附属ラジオアイソトープ総合センターの吉村崇教授、及び東京大学大学院理学系研究科/アイソトープ総合センター長の高橋嘉夫教授らは、水溶液中にイオンとして溶けたラジウム(ラジウムイオン: Ra2+)と、その周辺に存在する水分子の構造(水和構造)について、分子レベルの観測に世界で初めて成功しました。さらに、シミュレーションを用いて、Ra2+は同族元素に比べて水分子を束縛する力が弱く、水和構造が変化しやすいことを明らかにしました。

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令和03年度

2021.06.07

“計算化学を駆使して地衣類が放射性セシウムを保持する謎に迫る
―量子化学計算が明らかにする地衣類代謝物の放射性セシウム錯体形成力―”

システム計算科学センターの数納広哉研究員および町田昌彦副センター長は、 福島研究開発部門・廃炉環境国際共同研究センターの土肥輝美技術副主幹及び独立行政法人国立科学博物館・植物研究部・菌類・藻類研究グループの大村嘉人グループ長と連携し、 地衣類が示す放射性セシウムを長期間にわたり保持する機構の解明を目的として、地衣類代謝物とセシウムの錯体形成力を調べる研究を、量子化学計算手法を用いて行いました。

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令和02年度

2021.02.08

“従来の量子力学概念を越えた先に見えた特異な現象「フェルミアーク」
―強く影響しあう多数の電子が重元素化合物内で奏でる特異なハーモニー”

システム計算科学センターの永井佑紀研究副主幹は、マサチューセッツ工科大学(以下MITという)Liang Fu博士らとの共同研究により、 重元素化合物など多数の電子が強く影響しあって運動する物質の振舞いを解析可能とする、従来とは異なる理論を考案しました。これにより、 これまで高温超伝導体などで観測されている特異な現象(「フェルミアーク」と呼ばれる量子現象)が重元素化合物でも観測されうることを世界で初めて予言することに成功しました。

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2021.01.28

“リアルタイムで高精度な汚染物質拡散シミュレーションを世界で初めて実現
―都市構造物の詳細を捉え予測精度を大幅に向上―”

システム計算科学センターの小野寺直幸研究副主幹、井戸村泰宏研究主幹、長谷川雄太研究員は、 原子力基礎工学研究センターの中山浩成研究副主幹、東京工業大学学術国際情報センターの青木尊之教授および東京大学情報基盤センターの下川辺隆史准教授との共同研究により、 スーパーコンピュータ(スパコン)上で数km四方の都市街区に対し、数mの細い路地までも詳細に捉えた大規模なリアルタイム汚染物質拡散シミュレーションを世界で初めて実現しました。

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2021.01.20

“森林内の放射線量を決めている要因をシミュレーションにより解明
―2017年以降、森林の放射線量の大半が土壌表層5cm内の放射性セシウムに由来することが判明―”

システム計算科学センターのAlex Malins研究員および金敏植研究員と町田昌彦副センター長は、 原子力機構・福島研究開発部門・廃炉環境国際共同研究センターおよび国立研究開発法人・森林研究・整備機構(理事長:浅野(中静)透)・森林総合研究所(以下「森林総研」という) 及び筑波大学(学長:永田恭介)・アイソトープ環境動態研究センターと連携し、 2011年に起こった東京電力福島第一原子力発電所事故によって放射性物質が降下した森林内の放射線量を決めている要因を明らかにするべく、 森林内での放射線のシミュレーションを行いました。

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2020.07.10

“スパコン上で時間発展する大規模な原子炉シミュレーションをリアルタイムに可視化
―可視化ソフトウェア「In-Situ PBVR」によって可視化処理を約100倍高速化―”

システム計算科学センターの河村拓馬研究員と井戸村泰宏研究主幹は、新しい可視化手法を用いて、 独自のIn-Situ(ラテン語:その場)可視化ソフトウェアの開発に成功し、スーパーコンピュータ(スパコン)上で時間とともに温度や流れ場が変化する(時間発展する) 大規模な原子炉シミュレーションのリアルタイム可視化を世界で初めて実現しました。

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平成30年度

2018.11.16

“放射線量の詳細分布の推定を可能にする計算システム「3D-ADRES」を開発
―リモートセンシング情報に基づき任意のエリアの放射線量の3次元分布が取得可能に―”

システム計算科学センターの金敏植研究員及びAlex Malins研究員と町田昌彦研究主席は、原子力機構・福島研究開発部門・福島環境安全センター及び(財)高度情報科学技術研究開発機構(RIST)と連携し、福島県内の任意のエリアにおいて、その環境内に存立する建物や樹木等をモデル化し、放射性セシウムをモデル表面に付与することで、放射線量(空間線量率)の詳細な3次元分布を計算可能とするシステムを開発しました。

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2018.09.04

“矢野経済研究所 “自ら学習し複雑な現象の本質を抽出可能にするモンテカルロ法の開発-機械学習による量子シミュレーションの高速化-” について取材”

月刊誌「Yano E Plus」2018年10月号(No.127) p.41-43 (Electronics専門誌)に記事掲載

2018.07.13

“土壌粘土粒子の表面ナノ構造とセシウム吸着特性との関係を解明
―最も強い吸着を示すのは「ほつれたエッジ」と呼ばれるナノ構造であることを計算科学で立証―”

システム計算科学センターの奥村雅彦研究副主幹、町田昌彦研究主席は、米国の研究機関・大学との国際共同研究の下、パシフィックノースウエスト国立研究所のSebastien Kerisit博士、Michel Sassi博士、Kevin M. Rosso博士、プリンストン大学のIan C. Bourg博士、カリフォルニア大学バークレー校及びローレンスバークレー国立研究所のLaura N. Lammers博士、及び量子科学技術研究開発機構の池田隆司博士と共に、国際共同研究協定に基づいて行われた土壌粘土鉱物による放射性セシウムの吸着現象に関する計算科学研究の結果を集約し、更にこれまでに得られた実験研究結果も含めて土壌粘土鉱物と放射性セシウムの吸着機構に関する科学的知見を取りまとめた論文を「Journal of Environmental Radioactivity」に発表しました。
(7月18日日刊工業新聞、7月19日電気新聞、7月29日日本経済新聞に掲載)

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平成29年度

2018.03.28

“「答えます みんなが知りたい福島の今-根拠情報Q&Aサイト-」の見直しについて
(ホームページリニューアルのお知らせ)”

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構は、東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故により環境中に放出された放射性セシウムの分布状況や移動状況に係る調査研究、さらにはこれらを踏まえた被ばく線量評価について取り組んできました。
今般、原子力機構で実施した調査研究の成果及び関係研究機関等で行われた重要な調査研究の成果から得られた正確な情報等を整理し、住民の皆様が帰還されるにあたり、ひとりひとりの疑問や不安に答えることを目的に、原子力機構福島研究開発部門のホームページに標記サイトを開設し、リニューアル公開しました。

詳細情報(福島研究開発部門よりプレス発表)

2018.03.23

“炉心溶融挙動を予測する新しい数値シミュレーションコードの開発
~デブリの詳細な組成分布の推定に光が見えた~”

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構・原子力基礎工学研究センターの山下晋研究員は、今般、炉心が溶融した際に溶け落ちる構造物や核燃料などの物質の動きについて、より実態に近い溶融蓄積挙動を予測することができる数値シミュレーションコード「JUPITER」(ジュピター)を独自に開発しました。

詳細情報(原子力基礎工学研究センターよりプレス発表)

2018.01.26

“自ら学習し複雑な現象の本質を抽出可能にするモンテカルロ法の開発
-機械学習による量子シミュレーションの高速化-”

システム計算科学センターの永井佑紀研究員は、マサチューセッツ工科大学Liang Fu博士との共同研究により、固体中の電子集団の振る舞いを計算する量子シミュレーションに対して、機械学習によってそこに潜むパターンを見つけるモンテカルロ法(自己学習モンテカルロ法)の開発に成功し、計算量が膨大となる量子シミュレーションの劇的な高速化を達成しました。

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平成28年度

2016.10.11

“液晶のような特定の向きに整列する超伝導状態の発見
-回転対称性の破れを伴った「ネマティック」超伝導-”

米澤進吾 理学研究科助教、前野悦輝 同教授、田尻兼悟 同修士課程学生らの研究チームは、銅を挿入したビスマス-セレン化合物超伝導物質において、超伝導ペアたち自らが特別な方向を創出し、特定の方向でペアを組む強さが弱くなっていることを明らかにしました。この「ネマティック超伝導」と呼ばれる現象の実現が確かめられたのは超伝導研究の100年超の歴史において初めてであり、超伝導の基礎・応用両面で非常に重要な一歩だと考えられます。
本研究成果は、2016年10月11日に英国の学術誌「Nature Physics」にオンライン掲載されました。また、同誌の注目論文を紹介するNews and Viewsに解説記事が掲載されました。
(10月12日京都新聞、10月13日日刊工業新聞に掲載)

詳細情報(京都大学よりプレス発表)

2016.05.01

“NHK BS1スペシャル“原発事故5年目の記録”(2015年12月NHK取材)

平成28年3月6日に地上波で放映された“被曝の森~原発事故5年目の記録~”の拡大版、福島研究開発部門と連携して解析した空間線量率の変遷を番組内で紹介

平成27年度

2016.03.06

“NHKスペシャル“被曝の森~原発事故5年目の記録~”(2015年12月NHK取材)

福島研究開発部門と連携して解析した空間線量率の変遷を番組内で紹介

2016.01.29

“鉄系超伝導体のフォノンと磁性-磁気秩序に伴うフォノンエネルギー分裂の観測に初めて成功-”

理化学研究所(理研)放射光科学総合研究センター バロン物質ダイナミクス研究室の村井直樹大学院生リサーチ・アソシエイト(大阪大学大学院理学研究科大学院生)、福田竜生客員研究員(日本原子力研究開発機構副主任研究員)、アルフレッド・バロン准主任研究員と、大阪大学大学院理学研究科の田島節子教授、高輝度光科学研究センターの内山裕士研究員らの共同研究グループは、大型放射光施設「SPring-8」に設置されている高分解能非弾性X線散乱分光器を使って、超伝導を示さない鉄系超伝導体母物質のフォノン(物質の結晶格子の振動)の精密測定に成功しました。

詳細情報(理化学研究所よりプレス発表)

2015.07.08

“核融合プラズマ中の乱流が織り成すマルチスケール相互作用
―スーパーコンピュータ「京」で得られた新発見―”

名古屋大学大学院理学研究科(研究科長:松本 邦弘)素粒子宇宙物理学専攻の前山 伸也(まえやましんや)助教、同 渡邉 智彦(わたなべともひこ)教授、日本原子力研究開発機構の 井戸村 泰宏(いどむらやすひろ)研究主幹、核融合科学研究所の石澤 明宏(いしざわあきひろ)助教らを中心とする研究グループは、スーパーコンピュータ「京」を用いた研究によって、核融合プラズマ中に存在する幅広いスケールにおよぶ乱流間の相互作用-「マルチスケール相互作用」のメカニズムを明らかにしました。

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平成26年度

2014.08.05

“福島県内の路線バスによるモニタリングの増強について
~「KURAMA-Ⅱ」搭載車両を県全域へ拡大、リアルタイムで表示~”(8月7日にプレス向け説明会を開催)

福島テレビで放映、福島民友、福島民報に掲載

2014.06.20

“トポロジカル超伝導体の渦糸に出現 スピン偏極マヨナラ粒子解明”

科学新聞に掲載

平成25年度

2013.11.29

“放射線見極め除染せよ”

テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」

2013.08.29

“空間線量率モニタリングデータのリアルタイム情報発信を開始”

NHK 全国版・地方版、福島中央テレビ、テレビユー福島、福島テレビで放映、読売新聞、福島民友、福島民報に掲載

平成24年度

2013.01.16

“鉄系高温超伝導体の圧力による鉄電子状態と格子振動の変化の観測に成功”

公益財団法人高輝度光科学研究センターよりプレス発表

2012.10.04

“スパコン「京」活用 世界一の仮想震動台構築へ”

神戸新聞1面に掲載

2012.06.04

“固体物理学における四半世紀の謎 「隠れた秩序」 の発現現象を解明”

京都大学よりプレス発表

平成23年度(なし)

平成22年度

2011.02.09

“原発の耐震性スパコンで評価”

日本経済新聞夕刊1面に掲載

2011.02.01

“計算科学の研究協力へ:東大・原子力機構が覚書”

日刊工業新聞26面に掲載

2010.09.03

“プラント全体一括設計”

電気新聞1面に掲載

平成21年度

2009.05.26

“原子力機構 研究資源を統合活用 国際連携で基盤整備”

電気新聞1面に掲載

平成20年度

2008.09.05

“高知工科大で原子力学会開幕”

特別講演「耐震設計とスーパーコンピューティング技術」では、JAEA(日本原子力研究開発機構)システム計算科学センターの中島憲宏次長が登壇。原子力発電施設の振動耐性評価について、一つのモノとして考えると大規模な計算機が必要となるが、部品ごとでは分散計算が可能で、計算効率の向上が期待できるとし、施設を一体的ではなく部品ごとに分けて考えることを提唱した。

読売新聞

平成19年度

2008.03.12

“DNA補修酵素のかなめとなるアミノ酸を世界で初めて発見”

国立大学法人名古屋大学(総長 平野 眞一)の倭(やまと) 剛久・大学院理学研究科准教授と独立行政法人日本原子力研究開発機構(理事長 岡﨑 俊雄)の由良 敬・システム計算科学センターシミュレーション技術開発室室長代理の共同研究チームは、DNA光補修酵素のDNA補修における特定アミノ酸の関与を理論計算で突き止め、あらゆる生物のDNA光補修酵素においても今回特定したアミノ酸が同じ位置に100%存在していることを世界で初めて発見した。

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2008.02.29

“府立大学・JSTのナノバーチャルラボCRESTチーム 世界一高速で動作する超伝導中性子検出器の開発に成功!”

大阪府立大学よりプレス発表

2007.12.13

“1万キロメートル離れた欧州から日本での核融合実験に成功
―イーター・サテライトトカマク計画での遠隔実験への適用性を実証―”

独立行政法人日本原子力研究開発機構(理事長 岡﨑俊雄、以下「原子力機構」と言う)は、那珂核融合研究所(茨城県那珂市)にある臨界プラズマ試験装置(JT-60)への約1万キロメートル離れたドイツのマックスプランク・プラズマ物理研究所からの遠隔実験に成功した。
 これは、原子力機構が開発した高度なセキュリティーと高速のデータ通信機能を合わせ持つシステムにより、欧州の研究者が現地にいながらインターネット回線を通じて日本の研究者とほぼ同等の環境で実験を実施できることを、世界で初めて実証したものである。

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平成18年度

2006.08.08

“高度なセキュリティーで遠隔地からの核融合実験を実現”
―ITER 遠隔実験の実現へ向けて大きく前進―”

独立行政法人日本原子力研究開発機構(以下「原子力機構」と言う)は、高度なセキュリティーを保ちつつ遠隔地から臨界プラズマ試験装置(JT-60)の実験を行うシステムを開発し、京都大学からのJT-60実験を実施した。これは、遠隔地の研究者が大型の核融合実験装置を用いた実験をオンサイト研究者とほぼ同等な環境で実施できることを世界で初めて実証したものであり、国際熱核融合実験炉ITERの遠隔実験1)の実現に向けて大きく前進する成果となった。

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平成17年度

2005.12.09

“数値シミュレーション成果国際コンクールで受賞”

科学新聞4面に掲載

2005.11.15

“セ氏300度でも超伝導のまま 原子力機構など予測”

朝日新聞夕刊7面に掲載