会議情報

2008.12.03

第19回 CCSEワークショップ「原子力耐震計算科学による挑戦」を開催しました。

開催日:

平成20年12月3日(水)

場 所:

システム計算科学センター(上野)

主 催:

原子力機構 システム計算科学センター

共 催:

(独)科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業(CREST)「原子力発電プラントの地震耐力予測シミュレーション」研究チーム・
(社)日本原子力学会「原子力システムにおけるハイエンドコンピューティング」研究専門委員会・
(社)日本原子力学会計算科学技術部会

本ワークショップは、新潟県中越沖地震以降、原子力施設の耐震安全性が大きな関心事となっていることから、原子力施設の耐震安全性を評価する計算機シミュレーション技術の現状と最先端の動向をテーマとして開催されました。

会合は二部構成となっており、中島一郎理事(原子力機構)による開会挨拶に続き、第一部では、耐震安全の第一線で活躍中の有識者や研究機関・電力業界の研究者が基調講演を行いました。東京大学名誉教授の秋山宏氏、原子力安全基盤機構の福西史郎氏、東京電力株式会社新潟県中越沖地震対策センター所長の山下和彦氏です。第二部では、これまでCCSEにより推進されてきた原子力耐震計算科学研究の進捗状況と、2007年度より5年計画として開始した科学技術振興機構主催の「戦略的創造研究推進事業(通称CREST)」の耐震計算科学研究について報告がありました。ここでは、当該CREST研究チームの代表者である吉村忍東京大学教授から全体計画の説明があった後、酒井理哉氏(電力中央研究所)や渡辺愛氏(東京電力株式会社)など8名(原子力機構から3名)の研究者からそれぞれの研究担当について成果報告がありました。

【成果】

原子力耐震安全の第一線で活躍中の有識者、技術者、研究者からの講演およびその後の議論を通して、商用炉における耐震問題への取り組みについて詳細な情報を得ることができ、今後の原子力耐震計算科学研究の方向性に関する重要な知見を得ることができました。また、CCSEがこれまで取り組んできた耐震研究の進捗状況に関する議論を通じて、成果の妥当性を確認できたとともに、今後の研究課題についても明らかにできました。

なお、ワークショップには、大学より8名、電力業界より16名、独立法人研究機関より6名、民間会社より43名、原子力機構より28名、合計101名に加え、インターネットより23件の視聴の参加があり、小規模な会合ながら多数の参加者を得たことで、原子力施設の耐震問題への関心の高さを窺い知ることができました。

【プログラム】

【講演資料】

第1部:基調講演

・「分析と総合-耐震設計を例として-」秋山 宏(東京大学名誉教授)(PDF 約350KB)

・「原子力安全基盤機構の耐震計算科学研究への期待」福西 史郎(原子力安全基盤機構)(PDF 約2.9MB)

・「電力業界の耐震計算科学研究への期待」山下 和彦(東京電力株式会社)(PDF 約1.1MB)


第2部:CREST研究チームによる原子力プラントの地震耐力予測シミュレーションへの挑戦

・「全体計画」吉村 忍(東京大学)(PDF 約1.1MB)

・「地震及び地盤解析モデリングに関するデータ提供の計画と現状」河合 伸一(防災科学技術研究所)(PDF 約5.8MB)

・「建屋及び機器解析モデリングに関するデータ提供の計画と現状」渡辺 愛(東京電力株式会社)(PDF 約280KB)

・「地震・地盤・建屋解析モデリングの計画と現状」堀 宗朗(東京大学)(PDF 約1.5MB)

・「プラント構造・機器解析モデリングの計画と現状」吉村 忍(東京大学)(PDF 約1.3MB)

・「炉内核熱連成振動解析モデリングの計画と現状」佐藤 聡(原子力機構原子炉施設安全評価研究ユニット)(PDF 約200KB)

・「炉内熱流動解析モデリングの計画と現状」吉田 啓之(原子力機構核工学・炉工学ユニット)(PDF 約4.6MB)

・「解析間データ連携と解析システムのグリッド化実装の計画と現状」西田 明美(原子力機構システム計算科学センター)(PDF 約1.0MB)

・「実験の計画と現状」酒井 理哉(電力中央研究所)(PDF 約500KB)